前回は緋宮さんに生い立ちから料理家になられたきっかけをおうかがいしました。
今回は緋宮さんに加賀料理についてお話をうかがい、お互いに料理も作りました。
最後にレシピも公開いたします。

緋宮さんは「きれい塾キッチンスタジオ」にて料理教室を開催し、医療機関、各クリニックなどで食養カウンセラーとして活動する一方で、テレビ、雑誌、インターネットの出演も多く、ますますマルチに大活躍中です。
Haru:


緋宮:










Haru:


緋宮:
前回に引き続き宜しくお願いします。
まずは加賀料理って一体どういった特徴があるのでしょうか?

加賀料理の特徴は一言で言えば『わからん』味と言えます。
つまり『わからん』の『わ』は和食の『わ』です。『か』は中華の『か』、『らん』はオランダの『らん』なのです。和食と中華薬膳、蘭学つまりは医学、イコール健康をひっくるめて加賀料理は出来ています。
和食の『わ』は他にも和気藹々の『わ』、天下太平の思いを込めて平和の『わ』、心と心の結びつきの『輪』の意味も含んでいるんです。そこに中華薬膳の経験と知恵を加え、近代医学の蘭学の全てを包み込んで、本当に『うまく』出来ているのが加賀料理といえます。金沢では『んまい味』って言うんですよ。(笑)

緋宮さんは加賀料理をするにあたって師匠にあたるかたはいらっしゃるのですか?

私は大学時代に管理栄養士の資格を取りましたし、金沢にいる頃から加賀料理の料理教室も開いていました。他にも加賀料理のお店もやっていました。ですから長い間に自然と加賀料理、金沢の家庭料理を身につけて参りました。
Haru:


緋宮:
長い間加賀料理、金沢の料理に親しんでいらしたとのことですが、いつ頃からそれを職業としようと思われたのですか?

若い頃は料理家になろうとは全く思っていませんでした。私は文学が好きで、大学の専攻は国文科で古文とか歴史が好きでした。卒論は源氏物語なんです。で、そのころの文学を研究していると食が絡んでくるんですね。具体的に言うと日本の節句、つまり二十四節句などが和歌などに出てきます。私の祖母はおせちなどをきちんとつくり挨拶はしっかりさせられましたけど、私の子どもの頃はひな祭りと子どもの日くらいしか祝いませんでした。

しかし、この料理は『なんだろう?』『どういう意味があるんだろう?』という疑問が興味に変わってきて、勉強してみたいと思ったのです。一旦興味を持つとそれがどんどん深みにはまり、先祖のこともあり、せっかくやるなら管理栄養士まで取っちゃえ!ってことで現在に至っているんです。

私は一人一人に持って生まれたお役目があるのではないかと思っています。私は『きれい塾JAPAN』を立ち上げて運営してきました。しかしながら『きれい塾JAPAN』だけでは思いが伝えきれないので『きれい塾JAPN CULTURE』と今年から変更してJAPAN CULTURE、つまり食を通して日本の文化を世界に向けて発信していきたいと思っています。
Haru:










緋宮:






Haru:





緋宮:



Haru:
実は一時全く何も受付なくなってしまったことがあるんです。固形物を燕下することが全く出来ないのです。水もだめなんですよ。ただ、いろいろ経験してわかったんですが、あの状態で唯一入っていくのは『ミルク』なんです。もしくは豆乳でした。おそらく浸透圧の関係なんでしょう。だから赤ちゃんも最初はミルクですよね。自然と母乳絶ちをしますが、牛乳を飲むようになったわけです。もちろん品質の良いものでなくてはなりませんが。
ところで、緋宮さんはミルク、牛乳に関してはどういったご意見をお持ちですか?よく牛乳は良くないとか、カルシウムを摂るには牛乳が一番良いなどと言いますが。

品質の良い物を選べばそんなに神経質になる必要はないと思います。私は栄養士でもあるのでそちらの面からも悪くはないと思っています。お料理に生クリームなども使いますよ。ただ、好みやアレルギーの問題もありますよね。ですから、牛乳や豆乳だけが良いと言う考え方はしません。繰り返しになりますが、品質の良い物を選んで過度にならなければ否定するものではないと思います。

全く同感です。特に緋宮さんがおっしゃった品質ですよね。今問題なのは品質が壊れてしまっていることですよね。牧場で搾乳したものがすぐには市場に出回らず、数ヶ月おかれて加工されて、といった具合ですから。もし本当に牛乳が悪ければとっくに市場から消えていると思うのです。

海外では昔から飲まれていますし、日本人のDNAには合わないと言う方もいらっしゃいますが、日本でも貴重品として扱われてきましたよね。

アメリカなどではマクロビオティックの影響などもあり中流階級以上ではあまり牛乳が飲まれていない現実があります。しかしよくよく考えてみると日本では平安時代から飲まれていますし、牛乳の発酵物を醍醐と言って珍重していました。ですから、牛乳全体が駄目だ、という考えはありません。食で言えば、最近極端になってきていると思います。神経質になりすぎていると思うのです。
緋宮:












Haru:






冷凍餃子の件は問題ですが、誤解を恐れずに言えば、多少の化学調味料や保存料が入っているからって神経質になりすぎることはないと思います。人間ってそんなに簡単に死ねないと思うのです。神様はそんなにヤワに人間をつくっていないと思うのです。度を超すから問題が出てきているのではないでしょうか。ですから牛乳だって飲み過ぎなければ良いわけで一日に200cc一本程度であれば問題ないと思います。お酒だって赤ワイン一杯程度であればかえって体にいいわけですから。極端すぎてはいけないですね。ビタミンCが美肌に良いとなるとビタミンCばかりを摂る。これではいけないですね。体も精神も適度なバランスが必要ではないでしょうか。料理の味付けも『塩梅』って言いますよね。つまり中庸ってことでしょうね。

おっしゃる通りだと思います。Haru Select.comで会社案内を載せていますが、会社の方針に『中庸』を掲げているんです。
話が飛びますが、管理栄養士さんたちは難しいカロリー計算に夢中になり、緋宮さんのように食をトータルに考えることを忘れているような気がします。何も栄養士さんに限った話では無いのですが、枝葉ばかりを気にして大樹を見忘れていることって多いですね。緋宮さんはきわめて珍しいケースではないでしょうか。
緋宮:


































Haru:


緋宮:



Haru:
私は子供の頃から家庭料理にどっぷり浸かっているんです。おばあちゃんはカロリー計算しながら料理をつくっていませんでしたもの(笑)学校の試験のためには難しい計算はしましたが(笑)私の体には家庭の味が染み込んでいるんでしょうね。最近食育ってよく耳にしますが、ちょっと疑問に感じます。普段からきちんと食事をしていれば食育などと特別扱いしなくてもよいのではないでしょうか。あえて食育と言うならばおばあちゃんの家庭の味が食育であり、その心、つまり愛情が食育ではないでしょうか。
家族を守るため、社員を守るため、国を守るために自分は健康で無ければいけないわけです。これが一番大切食育の原点だと思います。

ところで、茶碗蒸しってどのようないきさつで出来た料理かご存知ですか?
栄養などが強調されていますが、一番大切なことが伝えられていないと思います。実はある大名が中国から烏骨鶏をつれてきて最初は庭で観賞用として飼っていました。烏骨鶏と言うのは10日から14日に一度しか卵を産まないのです。しかしその卵は大変生命を維持するのに大切な栄養が凝縮されています。その卵を大名が自分だけ食べれば自分だけ健康で元気でいられるかも知れません。しかしこの貴重で大変栄養価の高い卵を家臣と分け与え、みんなで健康になりこの国を守ろうとの思いから、だし汁でのばしてみんなで食べることを思いついたのです。1個の卵だって10人で食べられるわけです。和食にはそれぞれにこのような背景があります。武家の響応御膳を通してお伝えしています。昔の武将は戦ばかりしているように思いがちですが天下太平を心底願っていたのです。

金沢には『べろべろ』と言ってお醤油と砂糖と寒天に卵を流してつくる料理があります。これも一つの卵を大勢の家臣たちと分け与えるための知恵が産んだ料理なんです。今ではおせちを始め祝いの膳には必ず入ります。これはその思いを伝えるためなんです。これは加賀だけでなく日本中の各藩にもあてはまることなんです。

そういえば金箔を薄く薄くのばす技術も金沢にはありますよね。これも国民を思えばこその技術なんですね。

貴重な貴重な金を自分だけが持っていれば良い、という発想ではなく、広くみんなに分け与えたいとの思いから発した技ですね。健康の面から言っても金箔は優れているんですよ。

加賀料理の思いの深さ、和食ならではのおもてなしの心の素晴らしさを改めて認識しました。食を通して日本の文化を伝えていくってとてもすばらしいことですね。とても大変な指命だとは思いますがいつも応援しております。

今回は緋宮さんと一緒に料理を作りました。レシピと写真をご紹介します。
玄米太巻寿司
材料 (2本分/一人 275キロカロリー/50分)
寿司飯
玄米
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1.5カップ
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大さじ1/2
コンブ
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5センチ角1枚
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2カップ
合わせ酢
米酢
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40ml
梅酢
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大さじ1/2
みりん
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大さじ1
砂糖
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少々(ハチミツなら大さじ1/2)
天然塩
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小さじ1/2
ニンジン
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1/2本
シイタケ
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3枚
たまご
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2個
紅ショウガ
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15g
切干大根
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10g
水菜
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1/2束
ミョウガ
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1個
焼きノリ
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2枚
作り方
1)
寿司飯の材料を炊飯器に入れて炊く。合わせ酢は材料を混ぜておく。炊き上がった玄米は、コンブを取り除いて飯台に移し、合わせ酢をまわしかけ、うちわで扇いで混ぜながら、余計な水分を散らす。
2)
具を煮る。
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ニンジンは縦長の細切にして、ヒタヒタの水で柔らかく煮て、天然塩少々・砂糖少々(分量外)で味をつける。
A
もどした切干大根をだし汁、砂糖 天然塩、しょうゆで煮含める。(分量は適宜お好みで)
B
シイタケを細切りにし、だし汁と、砂糖、しょうゆ、天然塩で煮含める。(分量は適宜お好みで)
C
たまごは割りほぐし、天然塩小さじ1/3(分量外)で味つけして厚焼き玉子を作り、ニンジンと同じような縦長の細切りにしておく。
D
紅ショウガは水分を切っておく。。
E
ミツバは熱湯にサッとくぐらせ、水に取る。しっかりと水を絞っておく。
F
ミョウガは細い千切りにしておく。
3)
巻きすの上に焼きノリをのせ、酢飯をのせて広げ、その上にすべての具を並べてのせ、くるりと巻く。
4)
切り分けて器に盛る。
美味しい刺身の作り方
 家庭においては刺身や魚料理の機会が減っているため、スーパーや魚屋、デパートの鮮魚売り場の切り身や作取りした魚が多くの人に利用されています。ここでは、そうした所から買い求めた魚を美味しく食べるための下処理を紹介します。この方法は魚料理全般にに使える便利な方法です。
一つだけ憶えておいていただきたいのは、魚は水を嫌うと言うことです。おろすときからして、血合いや内臓を洗うときだけ1回か2回が水に晒す限度でしょう。限度と言うのは、美味しくなくなることをここでは意味しています。
今回は、刺身用に作取りした上身から下処理して刺身に引くまで紹介します。
玉酒での処理
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ボールに氷水を準備する。
A
そこに3%〜5%程度の塩(海水塩)を入れて攪拌する。
B
次に日本酒を3cc程度降り注ぎ、また攪拌する。
C
そこに作取りした上身を漬ける。(ここでは平目を使用)
D
3分から5分後に引き出しふきんかペーパータオルで水分を拭き取る。
E
拭き取った上身に酒を少々ふりかけて、ペーパータオルで包みラップして冷蔵庫にしまう。(ここではかんぱちを使用)
@〜Bで準備した氷水を玉酒と言います。
これに浸したり洗ったりすることで臭みが消え、旨みが引き立ちます。
塩分の加減は、鮮度がよければ薄くし、悪ければ厚くします。また浸す時間も長くします。
Cで浸す場合、血合いがついていたり汚れている場合は、ボールの玉酒を手ですくい掛けて洗ってから入れて下さい。
F
あしらいとして茗荷をきざむ場合はたて二つに割り、縦方向に千切。
G
あしらいは事前に準備する。ここでは大葉、穂紫蘇、山葵、すだち、紅たで。
H
山葵は鮫肌のおろし器で、頭から丸く円を描いてすりおろす。
I
ここではかんぱちを平作りで造る。
J
盛り付ける。ここでは輪島塗の角盆に大葉を引き、その上にキュウリの芯の桂剥きの千切りと茗荷をのせ、かんぱちを横位置に置いた下にたこを点盛りする。
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食養料理研究家、管理栄養士、加賀百万石前田藩、饗応料理研究家、きれい塾JAPAN CULTURE主催
緋宮さんは医療機関やクリニックなどにて管理栄養士・食養カウンセラーとして、主に生活習慣病・摂食障害を専門に心と体の栄養指導を行っています。
主な著書にすぐにできる美人食「マクロビオティックダイエット」、東大生認定「あたまがよくなるレシピ」、恋愛運を呼び込む「しあわせレシピ」など多数。
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